【任意後見制度】成年後見制度はなぜ創られたか

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
パスポート申請、車庫証明申請も多く手掛けております。
今回は、【任意後見制度】に関して、成年後見制度はなぜ創られたかについて考えてみたいと思います。

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【1】高齢化の進展

近時における我が国の高齢化の進行には著しいものがあり、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」付属資料によれば、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の比率は、昭和27年(1952年)に5.0%であったものが、昭和60年(1985年)に10%を超え、成年後見制度創設時である平成12年(2000年)には17.4%となり、平成17年(2005年)には20.2%、平成27年(2015年)には26.6%、令和7年(2025年)には、30.4%となり、実に10人中3人以上がお年寄りという時代を迎えています。

一般に、65歳以上の人口が総人口に占める割合を高齢化率といい、高齢化率が7%から14%までを高齢化社会、14%から21%までを高齢社会、21%以上を超高齢社会といいますので、我が国は、すでに世界に類を見ない超高齢社会に突入しています(日本の高齢化率は世界第1位になっております)。

そして、超高齢社会に突入した我が国の認知症高齢者は、平成24年(2012年)には462万人(15%)、令和7年(2025年)には700万人(約20%)と5人に1人が認知症を発症すると言われております。

 

【2】社会福祉理念の変化

高齢化が急速に進行するその一方で、精神障害や知的障害のある人たちが、可能な限り通常の家庭生活を営んだり地域活動に参加したりできるよう、生活様式、環境を整えていこうという新しい理念(ノーマライゼーション)が提唱されるようになりました。

また、判断能力が衰えたとしても本人に残っている能力を最大限活用できるようにする(本人の残存能力の活用)、あるいは、本人の意思決定を制度上でもできるだけ尊重する(自己決定の尊重)といった動きがみられるようになり、高齢者福祉、障害者福祉の在り方についても見直しが進められております。

 

【3】「措置」から「契約」への移行

福祉サービスは、これまでは、市町村がお年寄りや障害のある人について、それぞれ必要となる福祉サービスの内容や提供機関を決定するという行政処分(措置)と位置付けられていました。

しかし今日では、個人が自ら福祉サービスの内容や提供機関をを選択し、それを福祉サービス提供者との「契約」によって利用する制度へと移行することが望ましいとされるようになっています(「措置」から「契約」)。

そのためには判断能力の不十分な人についても、福祉サービス提供者と対等な立場で契約を行なうことができるような、法的基盤を整備する必要がありました。

このような状況を踏まえ、平成12年(2000年)4月1日に介護保険制度の運用が開始されましたが、成年後見制度と同時に運用が開始されたということは、社会福祉の分野における構造改革の具体的なあらわれであるといえます。