【終活・遺言・相続相談】相談例47 遺言の調査

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援、任意後見、死後事務委任に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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【終活・遺言・相続相談】相談例47 遺言の調査についての記事です。

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【相談内容】
相談者(61歳女性)から、「郷里の母(84歳)が息を引き取って半年たったが、郷里に住む弟(57歳)から連絡がなく、気をもんでいる。そういえば、母は2年前に「遺言書を書きたい」といっていたので、遺言書があるかもしれない。それを確認するにはどうすればいいだろうか」と相談を受けた。

【検討すべき点】
相続開始後半年たっているなら、相続税の申告期限が迫っていますから、すぐに遺言の有無を確認したいところです。遺言には、公正証書遺言、法務局における遺言書の保管等に関する法律に基づき遺言書保管所に保管された自筆証書遺言、法務局に保管されていない自筆証書遺言等の3通りがありますので、それらに応じた確認の方法を説明します。

【1】公正証書遺言の確認

① 公正証書遺言の存否を確認するには、母の除籍謄本、相談者本人の戸籍謄本(母が死亡し、相談者が相続人であることを証明できるもの)及び本人確認の書類(免許証・健康保険証等)をもって、近くの公証役場を訪問し、母が作成した公正証書遺言を検索してもらいます。
② その結果、該当する公正証書遺言があると分かれば、それを作成した公証役場に謄本を請求します。
③ なお、行政書士や弁護士が相続人から遺言調査を引き受ける場合は、上記の書類に加え、相談者からの委任状と士業の身分証明書が必要になります。
④ ただし、公正証書遺言を作成している高齢者の割合は10人に1人程度でしょうから、公正証書遺言が見つかるとは限りません。

【2】遺言書保管所保管の自筆証書遺言の確認

① 令和2年7月1日以降に受付けられた遺言書保管所保管の自筆証書遺言についても、地元の法務局に戸籍等と身分証明書を持参して、自筆証書遺言が保管されているかどうかを確認(遺言書保管事実証明書の交付請求。手数料は800円)します。
② 結果、遺言書が保管されていると判明すれば、遺言書情報証明書の交付を請求します(手数料は1400円)。
③ この証明書は、遺言書の保管を届け出た法務局(遺言書保管所)に請求しなくても、地元の法務局に請求して交付してもらうことができますし、これ以外に遺言の内容を閲覧することもできます。
④ ただし、遺言書保管官が相談者に遺言書情報証明書を交付し、又は閲覧させた場合には、遺言書を保管している旨を、他の相続人、受遺者や遺言執行者に通知されます。
⑤ 相談例の場合で言えば、弟が遺言書保管所保管の遺言書を利用しようとすれば、相談者にも通知されるシステムになっています。
⑥ なお、相談者の話によれば、母は2年前に自筆証書遺言を書いていた可能性があるが、法務局における遺言書の保管等に関する法律の施行前に作成された自筆証書遺言も保管の対象になります。したがって現状では、公証役場での検索と遺言書保管所での確認は必ず行うべきでしょう。

【3】遺言書保管所で保管されていない自筆証書遺言等の確認

① 遺言書保管所が保管していない自筆証書遺言等の有無を確認するためには、亡母の近くにいた弟に尋ねるほかありません(亡母が遺言書を託すほど親しくしていた方がいるなら問い合わせるべきでしょう)。
② 亡母が弟に不利な遺言を残していたとすれば、弟が、見て見ぬふりをしている可能性を捨てきれません。「相続人に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者」は相続人の欠格事由に当たります。そこで、弟に対して、書面で「遺言書はなかったですか」と問い合わせることを勧めます。
③ 相談者のような立場だと、亡母が弟に有利な遺言を残していて、弟がその遺言に基づいて、相談者の知らないうちに相続手続きをしているのではないかと疑いがちです。
④ しかし、弟が自筆証書遺言等に基づく権利を行使するなら検認手続きを経る必要がありますし、検認の申立てがあれば、家庭裁判所はすべての相続人及び受遺者に検認期日の呼出状を送ります。
⑤ したがって、相続開始後半年間、遺言書保管所からの連絡も、家庭裁判所からの検認の呼出状も届いていないのなら、(弟に有利な)自筆証書遺言はない可能性が高いということができます。

※遺言があることを知ったうえでの遺産分割は可能ですが、遺産分割後に遺言の存在が明らかになれば、その遺言が優先しますので、遺言の存否は最優先で確認すべき課題であることに違いありません。