【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度に代わる法的な仕組み2

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度に代わる法的な仕組み2について考えてみたいと思います。

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【1】信託制度の活用

(4)後見制度支援信託

最高裁判所は、信託銀行等と連携した「後見制度支援信託」の活用を図っています。これは後見制度を本人の財産管理で支援するための信託で、後見人が家庭裁判所の発行する「指示書」にもとづき、本人の現金や預貯金に関して信託を活用して管理するようにさせようというものです。

(5)遺言による信託

信託は、委託者と受託者との契約のみならず、遺言によって設定することもできます。また、遺言では、自分自身の為だけでなく判断能力に問題のある家族を受益者として設定することにより、自分の死後においても、家族の安定した生活保障等のために利用することができます。

信託銀行等財産管理を専門とする法人を受託者とする遺言をすることにより、継続的、長期的な財産管理が可能となり、第三者から不当な財産侵害を受けるというリスクを軽減することができます。
この場合には、あくまで財産管理についてのみということになりますので、障害のある子どもの身上監護等を委ねる場合には、別に後見人を選任しておくということが必要になります。

また、信託設定の遺言を作成しても、遺言で指定された受託者が信託引受を拒否すれば信託は成立しないこととなるため、遺言による信託の場合には、あらかじめ、受託者となるべき者と詳細な取り決めが必要となります。

ここで注意しておいてほしいことがあります。それは、「信託銀行等の行う[遺言信託]」についてです。
信託銀行等は「遺言信託」といって業務を行っていますが、これは「遺言信託商品」ともいうべきものであり、正確には「遺言に関する信託」というものです。信託銀行等が顧客の依頼に応じて遺言証書作成に関する業務、遺言証書保管に関する業務、あるいは遺言執行に関する業務を行う手続きを行うというもので、「遺言による信託」とは全くの別物です。

(6)遺言代用信託

信託によって、受託者の管理・処分という方法を活用することにより、自己の生存中は自らを受益者として生活や療養のために必要な金銭のみの支給を受けることとし、死亡後は家族を「死亡後受益者」として自己の死亡後の財産分配を達成することも可能となります。
また、特定の財産権を受託者から特定の受益者に移転するようにして財産の承継を図ることも可能となります。このような信託を「遺言代用信託」といいます。

このように、信託にあっては、財産が不動産である場合には受託者名義に移転され、金融資産である場合でも受託者のもとで運用管理されます。
勿論受託者の固有財産となるわけではありませんが、受託者には、信託の目的の範囲内において幅広い自由裁量が認められることから権限濫用というおそれがないわけではありません。

したがって、信託制度を利用する場合には、受託者の堅実性、ひいては受託者に対する高い信頼が必要になります。信託法では、受益者保護のための制度として信託監督人や受益者代理人といたものを定めていますので、これらの制度を併用することも考慮してよいと思われます。

【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度に代わる法的な仕組み1

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【1】信託制度の活用

(1)信託の仕組み

信託というと、信託銀行が取り扱っている投資信託や、貸付信託を思い浮かべがちですが、「遺言代用信託」や、「受益者連続信託」など、私たちの老後を支える新しい法的な仕組みが、平成18年の信託法及び信託業法の大改正によって誕生しています。

(2)福祉型信託

信託のうち、高齢者や認知症、知的障害、精神障害等の精神上の障害により判断能力が不十分な人を受益者として財産の管理や生活の支援等を行うことを目的とするものを福祉型信託といいます。この福祉型信託は、それぞれのライフステージに応じて、財産の保全、管理、活用、承継といった幅広い活用方法があり、任意後見制度の利用だけでなく、このような信託制度を利用することにより自分の望み、願を叶えることができます。

判断能力が不十分となったような場合に備えて、契約によって信託を設定しておけば、自己の財産について適切な管理や承継を図ることができます。
信託により受託者に財産を移転し、自分や家族のための生活や療養のために必要な金銭のみの支給を受けることとすれば、第三者から不当な財産侵害を受けることがなく、自分の浪費から財産を守ることさえ可能になります。

(3)信託制度の具体的活用方法

「信託」は、読んで字のごとく、相手を信じて自分の財産などを相手に託するという仕組みなのですが、この仕組みを理解していただくために、高齢者(委託者)が、信頼する相手方(受託者)に老後を託することを念頭に置きながら、信託制度の基本について簡単にお話しします。

信託の特徴は、第一に、高齢者は自分の財産の名義を相手に移してしまうことにあります。これまで説明してきた移行型任意後見制度に含まれる「財産管理契約」では、所有者名義は高齢者に残したままで、「代理」という制度を利用して、高齢者の財産の管理を委任するという仕組みが通常ですので、この点で、信託制度と任意後見において通常想定されている財産管理の仕組みとは決定的な違いがあります。

もっとも、新たに導入された自己信託の仕組みにおいては、少なくとも見かけ上は財産の移転はなく、この特徴を持ちません。より柔軟な仕組みを目指した結果であり、信託制度の理念を推し進めたものと言えます。

第二に、信託を受けた相手方(受託者)が、高齢者から名義移転を受けた財産を散逸させないよう、厳しく規制する仕組みになっているという特徴が挙げられます。

第三に、受託者は、高齢者から財産の名義移転を受けて、あたかも自分の財産のように管理することとなりますので、高齢者がその後、認知症等になったり亡くなったりしても、理屈の上では信託関係を続けることが可能となるという特徴があります。

これまで説明してきた普通の移行型任意後見制度に含まれる「財産管理契約」では、高齢者に認知症等の症状が現れると、家庭裁判所の関与が必要となってきますので、任意後見契約に移行し、財産管理契約は終了してしまいます。

また、任意後見契約(そこでも普通は、財産管理事務を行うことが予定されています。)では、あくまで高齢者の財産をその名義のままで管理するかたちなので、高齢者本人が亡くなると、任意後見契約も終了してしまい、遺産は相続財産として管理されるようになります。その点が信託との大きな違いです。

このように民法上の財産管理制度ではできない機能を、信託では実現できるのですが、学者はこの機能を「転換機能」と呼んでいます。「遺言代用信託」や「受益者連続信託」は、この転換機能を上手に活用することにより、高齢者の行く末の不安を解消しようとする仕組みといえます。

【任意後見制度】 高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み4

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【3】遺言の併用

(4)障害のある子の監護事務を負担する遺言等

重い障害や精神障害など、障害のある子を抱えている人は、自分が元気なうちはそのような子に対して有形無形の支援をすることが可能ですが、死亡後にはそのような支援ができなくなります。そこで、自分の死後に備え、遺言により、そのような障害をもつ子の生活のために、相続分を多くするように指定したり、そのような子の世話をすることを条件に特定の相続人や第三者に財産を遺したりするよう定めておくことが考えられます。

自分の死亡の場合だけでなく、自分の判断能力が欠けた場合にも同様の問題が生じますので、信頼できる人と任意後見契約を締結することにより、自分の代わりに家族のために財産を処分したり福祉サービスを受ける契約をしたりするように定めておくことも考えられます。

このような場合にも遺言と任意後見契約を併用することにより家族の支援を継続して行うことができるようになります。

重い身体障害や精神障害など、障害のある子の親が亡くなった後に備えるものとして、遺言、生前贈与、死因贈与などがあります。ここでは遺言の一例を示します。

遺言公正証書

第1条 遺言者Aは、下記建物(以下本建物という。)その他、遺言者に属する財産をすべて、次条以下に記載の負担を付して、B(昭和〇年〇月〇日生、住所・・・。以下「受遺者B」という。)に遺贈する。

記(不動産の表示は省略)

第2条 受遺者Bは生涯にわたり、遺言者の長女C(昭和〇年〇月〇日生。以下「長女C」という。)を身上監護すること。

第3条 本建物には長女Cを無償にて居住させること。

第4条 受遺者Bは、遺贈を受けた財産が自己のものであることを理由に長女Cに対し、家賃その他の請求をするなどの行為をしないこと。

第5条 受遺者Bが長女Cより先に死亡した場合に備え、受遺者Bは、その相続人で本建物を承継する者に、第2条ないし第4条の受遺者Bの負担を本建物を相続したことによる財産的利益の限度において引き継がせることを希望する。

第6条 遺言者Aは、この遺言の執行者として、受遺者Bを指定する。

(5)福祉施設や慈善団体等への遺贈

自分には、もう家族はいないが、入所している福祉施設には親身になって世話をしてくれる人がいるという高齢者も少なくありません。そのような高齢者が福祉施設などに恩返しがしたいとの理由から福祉施設、慈善団体等へ財産を遺し、社会に貢献したいと考えることも少なくありません。このような希望を実現するためには、財産を特定の福祉施設等に遺贈するという内容の遺言を遺す必要があります。

遺言では、自分の希望を実現するために遺言執行者を指定する他、慈善団体等によっては不動産の寄付を受付けないとするところもあるようなので、遺贈を受けてもらえるのか、その使途について指定できるかなどを事前に確認しておくのが望ましいと思われます。

(6)遺言における付言事項

法律に定められていない事項を遺言で付言することをいいます。法律に定められた事項は、遺言に記載されれば、法的な効力が生じますが、付言事項は、法定外の事項として、法的効力は生じませんが、遺言者の意思として尊重され、結果的に相続人等によって遺言者の希望などが実現されることはあります。

公正証書遺言の実務では、遺言者から様々な内容の付言がなされますが、通常、遺言書の末尾に記載されます。
代表的な事項としては、葬式や法要の方法、遺体の処置、遺言内容についての遺言者の考え、家族の幸福を祈る気持ち、兄弟姉妹が協力し合うことなどの希望が付言事項として記載されます。

【任意後見制度】高齢社会を取り巻く制度 任意後見制度と併用する法的な仕組み3

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【3】遺言の併用

(1)遺言とは

遺言とは、自分の死後の法律関係を定める最終の意思表示です。民法の定める法定相続とは別に、自分が生涯かけて築き、かつ守ってきた大切な財産を、最も有効かつ有意義に活用してもらうために行なう意思表示であり、人生の集大成ともいうべきものです。

遺言をするのは、自分の家族に争いや不満を遺さないようにするということが考えられます。遺言がないために、相続をめぐり親族間で争いの起こることが少なくありません。今まで仲の良かった人たちが、相続財産を巡って骨肉の争いを起こすことほど悲しいことはありません。

遺言はこのような悲劇を防止するため、遺言者自らが、自分の残した財産の帰属を決め、相続を巡る争いを防止しようとすることに主たる目的があります。
その他にも、個々の相続人にそれぞれ必要な財産を相続させたい、特定の子に事業を承継させたい、介護の必要な子のために財産を遺したい、同居している子に建物を遺したい、老後の世話をしてくれた人に報いたい、相続人以外の人に財産を分けたい、慈善団体に財産を遺し社会に役立てて欲しい、葬儀や埋葬方法等を定めておきたい等々が考えられます。このような様々な願いや想いを形にするのが遺言です。

(2)遺言と同時に任意後見契約を結ぶ

遺言によって、死後の財産管理・財産処分等を行うとして、生前中の財産管理等は自分で行うにしても、認知症等の精神上の障害によって判断能力が欠けた場合には、自己の財産管理等ができないこととなります。そのような場合に備え、自分の最も信頼できる人に対して財産管理や身上監護等を委ねる契約をするのが任意後見制度です。

遺言と任意後見制度とは、まったく異なる制度ですが、ともに自己決定権を最大限に尊重したものであり、民法の私的自治の原則に適う制度ということができます。自分の死後における財産の管理、処分、承継については遺言によって決定することができますが、自分の認知症等により判断能力を失ってしまった場合の財産の管理、処分をどうするのか、という点に関心を払うことは当然に必要なことです。

(3)典型例

任意後見人は、任意後見契約において定められた事務を処理する義務があり、任意後見契約の契約条項に定めがなくとも、善管注意義務(任意後見契約法7条4項、民法644条)や任意後見契約法6条に規定する配慮義務があります。

移行型任意後見契約の場合、本人の世話をする任意後見人(受任者)になる人は、親族がもっとも多く、しかもかなりの人たちが無償で引き受けているのが現状です。
親族が任意後見人(受任者)を引き受けている場合は、本人の財産管理、身辺配慮、さらには任意後見監督人への報告などの法律や契約で定められた事務のほか、現実には、身の回りの世話など、親子や親族の情に基づいて無償の奉仕をすることが多いわけですから、世話をしてもらう立場の本人が、自分の老後の世話をしてくれたその親族(任意後見人・受任者)に対し、自分の遺産のすべて又は一部を遺したいという気持ちは、自然の情愛といえます。そのためか、移行型任意後見契約の締結と遺言書の作成を公証役場で同一の機会に行なうという例が多いといえます。

さらに親しい友人や近隣住人に任意後見人(受任者)になってもらい、そのお礼に財産の一部又は全部を遺すという遺言も少なくありません。
そのような場合であっても、遺言内容は、通常の遺言と変わらないのが普通です。
遺言それ自体は、正確性・明確性を期するために、味気ない文言になってしまいます。そこで、任意後見人(受任者)になってもらった親族(相続人・受遺者)に感謝の意を表するために、遺言には、それぞれの生の言葉で、「お礼の言葉」を付言事項として付け加えるのがよいかと思います。

任意後見受任者は、重要書類の一つとして本人の遺言書も管理することも多いと思われます。ところが、遺言内容を受任者に知られると受任事務のやる気を低下させるおそれがあり、あるいは、世話をしてもらう本人との間が気まずくなる可能性がある場合もあるかと思われます。

その場合は、遺言の内容を知られないよう、秘密証書遺言(民法970条)によることもできます。
秘密証書遺言は、自筆でなくともよいので、司法書士や行政書士が代筆する例も少なくありません。

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【2】死後事務の委任契約の併用

任意後見契約の3つの類型、すなわち将来型、即効型、移行型のいずれの契約を結ぶ場合であっても、それとは別に、任意後見事務を委任した高齢者が亡くなった後を適切に事務処理することをも、受任者(任意後見人)にお願いすることができます。

本人(委任者)が死亡すると、委任契約である財産管理契約及び任意後見契約(さらに準委任契約も)は終了するのが原則です(民法653条1号)。そうすると、その後は、受任者は、委任事務の処理を本人の相続人等に引き継ぐことになります。この場合、本人が死亡後の病院の支払や葬儀、永代供養料の支払等についても委任しておきたいという希望がある場合に、そのことはかなえられるのでしょうか。

(1)これに関しては、入院中の諸費用の病院への支払、自己の死後の葬式を含む法要の施行とその費用の支払、入院中に世話になった家政婦や友人に対する応分の謝礼金の支払を委任する契約は、当然に、委任者の死亡によっても契約を終了させない旨を包含する趣旨のものであり、民法653条の法意がかかる合意の効力を否定するものではない、とする判例があります。

そうすると、本人(委任者)が死後の事務処理等を受任者に委任することは可能であり、「財産管理契約及び任意後見契約」と同一の公正証書に別個の契約として委任事項を記載しておくことによって、本人の死亡後であっても、委任契約に基づき、受任者によって本人の依頼事項が実現されることになります。
その他、将来型や、即効型との併用も、もちろん可能です。

(2)死後の事務委任に関しては、さらに、「委任者は、自己の死亡後に契約に従って事務が履行されることを想定して契約を締結しているから、その契約内容が不明確又は実現困難であったり、委任者の地位を承継した者にとって履行負担が加重であるなど契約を履行させることが不合理と認められる特段の事情がない限り、委任者の地位の承継者が委任契約を解除して終了させることを許さない合意を包含する趣旨と解することが相当である」とする高裁判例があり、これによれば、特段の事情がない限り、本人(委任者)の地位の承継者である相続人等も委任契約を解除することができないとしています。

(3)以上述べた通り、死後の事務も委任契約ないし準委任契約として有効であり、特約として財産管理契約とは別契約として公正証書の中に記載することができます。この点からも「移行型」は高齢者など委任者の要望を満たすものであり、有利であると言えます。
なお、死後の委任事務は任意後見事務との連続性はないので、財産管理契約及び任意後見契約とともに一つの公正証書中に記載することはできますが、代理権目録には記載することはできませんし、強行規定である任意後見契約法による任意後見契約の中に盛り込むのは疑義があります。別契約とするのがよいでしょう。

死後の事務の内容としては、本人の生前に発生した債務の弁済(治療費、入院費、家賃の支払、光熱水費の支払等)、入院保証金、入所一時金、その他の残債務の受領、自身の葬儀、埋葬、寺・宗派・墓の指定、お布施の指定、永代供養、年忌法要を行うこと、檀家料の毎年支払額の指定、ペットの世話、身の回りの衣類等の廃棄処分等について、依頼することができます。

本人(委任者)の死後、長期に及ぶ事務については、受任者が途中で死亡してしまうことも考慮しなければならないので、そのような場合は、成年後見人及び後見監督人の職務に積極的に取り組んでいる公益社団法人成年後見センターリーガルサポート(司法書士会)や公益社団法人成年後見支援センターヒルフェ(行政書士会)などの法人を受任者にすることも考えられるでしょう。

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今までは主として任意後見制度それ自体について説明してきましたが、ここからは、任意後見制度と併用して利用することのできる法的な仕組みや、任意後見制度に代わる法的な仕組みについて又、公的支援その他の仕組みについて、簡単に触れていきます。

【1】継続的見守り契約の併用

将来型の任意後見契約は、本人が元気なうちは財産管理を自分で行うが、判断能力が低下し、認知症などになったら任意後見受任者に後見してもらいたいので、そのときはよろしく頼むという契約でした。

将来型の場合、本人は、いつ認知症になるかも知れないのに、そのことを誰もチェックしてくれないという不安な状態に置かれます。その不安を解消する方法として、財産管理までは委任しないが、自分を見守ってもし任意後見開始の時期が来たら、速やかに手続きを取って欲しいということのみを依頼する契約(民法上の準委任契約)を任意後見人予定者と結んでおくという方法があります。

内容は、自由に定めることができますが、参考例を示します。なお、このような継続的見守り契約についても公正証書とする例が多くみられます。

(参考例)継続的見守り契約書

委任者○○○○を甲、受任者○○○○を乙として、別途締結した任意後見契約(令和〇年〇月〇日法務局所属公証人○○○○作成令和〇年第〇号任意後見契約公正証書。以下「本任意後見契約」という。)に関連して、甲と乙は次のとおり継続的見守り契約(以下「本見守り契約」という。)を締結する。

第1条(目的)本見守り契約は、本任意後見契約が効力を生ずるまでの間(以下「本契約期間」という。)、乙が甲に対し、定期的に電話連絡を行い、また訪問・面談によって意思疎通を確保することにより、乙は、甲の生活状況及び心身の健康状態を把握して同人を見守ることを目的とする。

第2条(電話・面談を行う義務)
1.本契約期間中、乙は甲に対し、定期的に電話連絡をし、また訪問・面談を行うこと等により、甲の生活状況及び心身の状態の把握に努めなければならない。
2.前項の電話連絡は、乙から週1回程度連絡することにより実施し、乙による訪問・面談は月1回程度実施するものとし、具体的な面談日・時間等は、甲と乙が相談してその都度適宜定めるものとする。
3.乙は、前項に定める面談日以外の日であっても、乙が必要と認めた場合又は甲の要請があった場合は、随時面談を実施するものとする。
4.甲は、乙の訪問・面談が、次条に定める事務を行うためのものであって、甲の身辺の世話や、世間話の相手、買い物の手伝い等のためのものではないことを承知するものとする。

第3条(見守り義務)
1.乙は、前条に定める甲との電話連絡及び訪問・面談を通じて、家庭裁判所に対する任意後見監督人選任の請求をなすべきか否かを常に判断し、甲が精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分な状況となり、後見事務を行うことを相当とすると認めた場合は、速やかに家庭裁判所に対し、任意後見監督人の選任の請求をしなければならない。
2.前項のほか、乙は甲の身上面に十分配慮し、甲が加療を要する状態にあることが疑われる場合は、速やかに受信・入院等の手配をしなければならない。

第4条(費用負担)この契約の締結及び実施に要する費用は、甲の負担とする。

第5条(契約の終了)この契約は以下の事由が生じたときは終了とする。
(1)甲もしくは乙が死亡又は破産したとき
(2)甲が後見開始・保佐開始・補助開始の審判を受けたとき
(3)乙が後見開始の審判を受けたとき
(4)本任意後見契約が解除されたとき
(5)本任意後見契約に基づく任意後見監督人選任の審判が確定したとき

以上を契約の成立を証するために、本契約書2通を作成し、当事者各自署名のうえ当事者各自1通を保有する。
令和〇年〇月〇日
甲住所・氏名
乙住所・氏名

【任意後見制度】任意後見契約の登記 登記事項証明書

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【1】登記事項証明書を必要とする場合

登記事項証明書とは任意後見契約が登記されていることを証明するものです。これにより、本人、任意後見人の住所・氏名、代理権の範囲など任意後見契約の内容などが証明されます。

任意後見人は、法務局から「登記事項証明書」の交付を受けて、代理権を証明することができますので、例えば、本人に代わって財産の売買・介護サービスの提供契約などを締結するときに、取引の相手方に対し登記事項証明書を提示することによって、その権限などを確認してもらえますし、取引の相手方も、安心して取引を行うことができます。

また、取引の相手方から、判断能力の有無の確認などのために証明書を求められたり、いろいろな資格・免許等の取得の際に成年被後見人等の欠格事項に該当する者ではないことを証明しなければならない場合があります。その場合は、「登記されていないことの証明書」(いわゆる「ないこと証明」。)の交付を受けて、そのような欠格事項に該当する者ではないことを証明することができます。
(現在では、成年被後見人や被保佐人が欠格事項とされていたものは、法改正により欠格事項から外れているケースが多くなっております。その場合でも、欠格事項の条件が変更され、その条件に該当していないことを証明する際に、この「ないこと証明」を必要とするケースがあります。)

【2】請求できる者

登記事項証明書等の交付を請求できる者は、任意後見契約の本人、その配偶者、四親等内の親族、任意後見人(受任者)、任意後見監督人など一定の方に限定されています。
なお、移行前任意後見契約の受任者も登記事項証明書の交付を請求できます。しかし、登記されているのは、移行後の任意後見についての代理権の範囲だけであって、移行前の財産管理契約についての代理権の範囲は登記されておらず、証明されません。

登記されている情報は、人の判断能力についての情報であり、プライバシー性が極めて高い情報ですから、誰もがこれに自由に請求できるのは適当ではありません。しかしながら、その一方で、円滑な取引活動を行うためには、登記の内容(判断能力の状況)などを取引の相手方に証明する必要が生ずる場合があります。

そこで、取引の安全と本人のプライバシー保護というそれぞれの要望を調整して、登記事項証明書等の交付を請求できる者は、登記記録に記録されている者など一定の者に限定されています。なお国や地方公共団体の職員は職務上必要とする場合には請求することができます(後見登記法10条5項)。

【3】証明書の申請に必要な書類

登記事項証明書を申請するには、申請書と収入印紙が必要です。
本人又は任意後見人・任意後見受任者、任意後見監督人などが証明書の交付を受ける場合には、申請書以外の添付書面は必要ありませんが、任意後見契約の本人の配偶者、四親等内の親族の場合は、本人との関係を証する書面として戸籍謄本等が必要です。
また、本人からの委任を受けた代理人も、本人に代わって証明書の交付を請求することができますが、この場合には委任状が必要です。

【4】申請手続き

(1)申請方法

3つの方法があります。窓口申請と郵送申請、また、インターネットでの取得も可能です。
登記事項証明書又は登記されていないことの証明書を交付申請するには、請求者の氏名、生年月日及び資格(本人との関係)などを記載した申請書に、所定金額の印紙(手数料)を貼って、必要な書面を添えて請求します。

なお、申請は、返信用封筒を同封して郵送でも行えますし、オンラインによる交付請求も可能です。ただし、オンラインで申請する場合は、添付書類を併せて送信することができませんので、添付書類が不要な本人又は任意後見人等が請求する場合のみ可能となります。

(2)請求窓口

① 東京法務局民事行政部後見登録課又は他の法務局・地方法務局の戸籍課
② 郵送での請求先:東京法務局民事行政部後見登録課のみ
(切手を貼り、宛名を記載した長3サイズ(A4の三つ折りサイズ)の返信用封筒を必ず同封しなければなりません。

(3)手数料
・登記事項証明書 1通につき 収入印紙550円
(オンライン請求は紙の証明書は380円、電子証明書は320円)
・登記されていないことの証明書(いわゆるないこと証明) 1通につき 収入印紙300円
(オンライン請求は紙の証明書は300円、電子証明書は240円)

(4)登記事項証明書の申請書の用紙の取得先

東京法務局民事行政部後見登録課のほか、最寄りの法務局または地方法務局もしくはその支局などで入手することができますし、法務省や東京法務局のHPでも入手可能です。

【任意後見制度】 任意後見契約の登記 任意後見契約の解除による任意後見の終了の登記の申請

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
パスポート申請、車庫証明申請も多く手掛けております。

今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の登記 任意後見契約の解除による任意後見の終了の登記の申請について考えてみたいと思います。

月次支援金申請の【事前確認】は【090-2793-1947】にて受付中です。

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任意後見契約を解除する場合、解除する時期が、①任意後見監督人が選任される前であるか、②任意後見監督人の選任された後であるかによって、解除の手続きが異なりますし、加えて①委任者本人と受任者双方の合意によって解除する場合と②委任者本人又は受任者どちらかから一歩的に解除する場合のいずれであるかによっても、解除の手続きが異なります。

【1】任意後見監督人が選任される前に任意後見契約を解除する場合

任意後見監督人が選任される前に任意後見契約を解除する場合とは、まだ本人の判断能力が低下しておらず、判断能力がある状態での解除といえますから、本人又は任意後見受任者はいつでも公証人の認証を受けた書面によって、解除することができます(任意後見契約法9条1項)。

(1)任意後見監督人が選任される前に、本人と受任者双方の合意によって解除する場合

本人と受任者の合意による解除の意思表示を記載した書面に公証人の認証を受けることによって解除することができます。公証人の認証が解除の要件となっていますから、解除の効力発生日(解除日)は公証人の認証日となります。
・添付書類
解除の意思表示を記載し認証を受けた書面(合意解除の意思表示を記載し公証人の認証を受けた書面の原本又は認証ある謄本)

(2)任意後見監督人の選任前に、本人又は受任者どちらかから一方的に解除する場合

本人又は受任者の一方が相手方に対して解除の意思表示を記載した書面に公証人の認証を受け、その解除の意思表示を記載した書面を配達証明付内容証明郵便として相手方に送付し、相手方が受け取ることによって解除することができます。

この場合の解除の効力発生日(解除日)は、相手方に到達したとされる配達日となります。意思表示は、意志である通知が相手方に到達したときからその効力を生ずることになっています。
・添付書類
郵便局で解除の意思表示を記載した書面を送付したときに交付される郵便局引受記載印のある控え(配達証明付内容証明郵便の謄本)
配達日を確認するための配達証明の葉書

【2】任意後見監督人の選任後に解除する場合

任意後見監督人が選任された後に任意後見契約を解除する場合とは、本人の判断能力が低下して、不十分となった状態での解除となりますから、本人が不利益を被らないように配慮しなければなりません。
そこで、解除に正当な理由がある場合で、かつ家庭裁判所の許可を得なければ解除することができないとされています(任意後見契約法9条1項)。

(1)任意後見監督人が選任された後に、本人と任意後見人双方の合意によって解除する場合

前記1(1)のケースと同様に、本人と任意後見人の合意による解除の意思表示を記載した書面を作成することが必要です。これに加え、家庭裁判所の許可を得なければ解除することはできません。家庭裁判所による許可の審判が確定することが解除の効力の発生要件に加わることから、解除日は合意解除の意思表示を記載した書面を作成した日か、解除許可審判の確定の日の、いずれか遅い日となります。
・添付書類
合意解除の意思表示を記載した書面
許可の審判書又は裁判書の謄本及び確定証明書

(2)任意後見監督人が選任された後に、本人又は受任者どちらかから一方的に解除する場合

前記1(2)の場合と同様に本人か任意後見人の一方から相手方に解除の意思表示を記載した書面を配達証明付内容証明郵便として相手方に送付し、相手方が受け取ることが必要です。この手続きに加え、家庭裁判所の許可を得る必要がありますので、解除日は、解除許可審判の確定日か、一方的解除の意思表示を記載した書面が相手方に到達されたとされる配達日の、いずれか遅い日となります。
・添付書類
配達証明付内容証明郵便の謄本
配達日を確認するための配達証明の葉書
許可の審判書又は裁判書の謄本及び確定証明書

【任意後見制度】任意後見契約の登記 任意後見契約の終了の登記2

世田谷区砧で子供のいないご夫婦、おひとり様の遺言書作成、相続手続き、戸籍収集支援に詳しい行政書士セキュリティコンサルタントの長谷川憲司です。
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今回は、【任意後見制度】に関して、任意後見契約の登記 任意後見契約の終了の登記2について考えてみたいと思います。

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【3】申請の手続き

(1)申請人

申請義務を負うのは、任意後見契約の本人、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人ですが、任意後見契約の本人の親族その他利害関係人も、終了の登記を申請することができます(後見登記法8条3項、後見登記政令7条2項)。

(2)申請方法

①書面による申請と②オンライン申請の二つの方法があり、書面による終了の登記の申請は、郵送によってすることもできますが、書留郵便(又はこれに準じる信書便)によらなければなりません(後見登記省令8条)。

(3)必要書類

登記申請書には、登記すべき事項として、任意後見契約の終了事由及びその年月日を記載し、終了事由を証する書面を添付する必要があります(後見登記政令10条3号)。

死亡による終了の場合は、登記の事由を証する書面として、死亡診断書、除籍謄抄本等の死亡を証する書面を添付します。
任意後見契約の解除を終了の事由とする場合の登記の事由を証する書面は、解除の意思表示を記載した書面(任意後見監督人の選任前の解除のときは、公証人の認証を受けた書面)が相手方に到達したことを証する書面(配達証明付内容証明郵便の謄本等)又は任意後見契約の合意解除の意思表示を記載した書面(任意後見監督人の選任前の解除のときは、公証人の認証を受けた書面)の原本又は認証ある謄本となります。

なお、任意後見監督人選任後に任意後見契約を解除する場合には、家庭裁判所の許可を得なければなりませんから(任意後見契約法9条2項)、これらの書面のほか、許可の審判書又は裁判書の謄本及び確定証明書も必要となります。

(4)登記手数料

終了の登記の申請には、手数料の納付を必要としません(登記手数料令16条2項6号)。

【4】裁判所書記官の嘱託による終了の登記

裁判所書記官は、任意後見人の解任の審判が確定したとき、又は任意後見監督人が選任されて任意後見契約が効力を生じた後に任意後見契約の本人についての法定後見が開始の審判が確定したことによって任意後見契約が終了したとき(任意後見契約法10条3項)は、任意後見契約の終了の登記を嘱託します。
なお、手数料の納付を要しません。

【任意後見制度】任意後見契約の登記 任意後見契約の終了の登記1

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【1】任意後見契約の終了原因

任意後見契約が終了する原因としては、①任意後見契約の解除、②任意後見人の解任、③本人又は任意後見人(受任者)の死亡などがありますが、任意後見契約が終了したときは、任意後見契約の本人、任意後見受任者、任意後見人又は任意後見監督人は、終了の登記を申請しなければなりません(後見登記法8条2項)。

ただし、家庭裁判所の書記官によって嘱託登記がされる場合は申請をする必要がありません。例えば、任意後見人が解任され、解任の審判が確定した場合は、家庭裁判所の書記官からの嘱託により、任意後見契約の終了の登記がされます。

【2】終了登記の必要性

任意後見契約が終了するのは、①任意後見監督人の選任前(任意後見契約の効力発生前)に終了する場合と、②任意後見監督人の選任後(任意後見契約の効力発生後)に終了する場合とがありますが、いずれの場合にも、終了の登記をしておく必要があります。

(1)任意後見監督人の選任後(任意後見契約の効力発生後)の終了の登記の必要性

任意後見監督人が選任された後(任意後見契約の効力が生じた後)に任意後見契約が解除などにより終了したにもかかわらず、任意後見契約の終了の登記をしないで、そのまま放置しておくと、事情を知らない者に代理権が消滅したことを主張することができません(善意の第三者に対抗することができません)。

したがって、取引の相手方が善意であれば(事情を知らなければ)、本人は、任意後見人であった者が代理する権限なしで行った取引の効果について責任を負わなければならないことになり、本人に不利益が生ずる可能性があります。

そのような不利益を避けるためにも、任意後見監督人が選任された後に任意後見契約が解除などにより終了した場合には、必ず終了の登記をしておく必要があります。

(2)任意後見監督人の選任前(任意後見契約の効力の発生前)の終了の登記の必要性

任意後見監督人を選任する前に解除などにより任意後見契約が終了した場合(つまり、将来認知症等により判断能力が低下したら任意後見を始めてもらう旨を約束したのに、その時期が来る前に契約が解消(撤回)されてしまう場合)には、まだ任意後見人の代理権は効力を生じていませんから、取引上、特に問題は生じませんが、本人や任意後見受任者は終了の登記を申請しなければならないことになっています(後見登記法8条2項)。

また、任意後見契約を締結した際に、公証人からの嘱託によって「任意後見」契約の登記がされていますから、将来、本人の判断能力が不十分になり「法定後見」の開始の審判申立てをしたときに古い任意後見契約の登記が放置されていますと、すでに終了した任意後見契約がいまだに存続していると家庭裁判所が誤信して法定後見の開始の必要性を審判する(任意後見契約法10条1項)おそれがありますから、そのような弊害を避けるためにも、速やかに終了の登記をしておく必要があります。

(3)契約を解除した場合、任意後見契約終了の登記申請手続きをする義務がある(後見登記法8条2項)ことについては、任意後見契約締結時においても、公証人から本人と任意後見受任者の双方に説明がなされているはずですが、契約時においては解除は将来のしかも通常は想定外の事実ですから、終了登記の必要性が十分に周知されているかは疑問のあるところです。